第五章のニ 宅地建物取引業保証協会4

 

(営業保証金の供託の免除)

第六十四条の十三 宅地建物取引業保証協会の社員は、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後においては、宅地建物取引業者が供託すべき営業保証金を供託することを要しない。 (供託を免除された場合の営業保証金の取りもどし) 第六十四条の十四 宅地建物取引業者は、前条の規定により営業保証金を供託することを要しなくなつたときは、供託した営業保証金を取りもどすことができる。

2 第三十条第三項の規定は、前項の規定により営業保証金を取りもどす場合に準用する。

(社員の地位を失つた場合の営業保証金の供託)

第六十四条の十五 宅地建物取引業者は、第六十四条の八第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後に宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失つたときは、当該地位を失つた日から一週間以内に、第二十五条第一項から第三項までの規定により営業保証金を供託しなければならない。この場合においては、同条第四項の規定の適用があるものとする。

(事業計画書等)

第六十四条の十六 宅地建物取引業保証協会は、毎事業年度開始前に(第六十四条の二第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後すみやかに)、収支の見積りその他国土交通省令で定める事項を記載した事業計画書を作成し、国土交通大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。

2 宅地建物取引業保証協会は、事業年度ごとに、国土交通省令で定める様式による事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、国土交通大臣に提出しなければならない。

(一般保証業務) 第六十四条の十七 宅地建物取引業保証協会は、一般保証業務を行なう場合においては、あらかじめ、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣の承認を受けなければならない。

2 宅地建物取引業保証協会は、一般保証業務を廃止したときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

3 第五十七条から第六十条までの規定は、一般保証業務を行なう宅地建物取引業保証協会に準用する。この場合において、第六十条中「政令」とあるのは、「国土交通省令」と読み替えるものとする。

(手付金等保管事業)

第六十四条の十七の二 宅地建物取引業保証協会は、手付金等保管事業を行う場合においては、あらかじめ、事業方法書を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の承認を受けなければならない。

2 宅地建物取引業保証協会が手付金等保管事業について前項の承認を受けたときは、第四十一条の二第一項第一号の指定を受けたものとみなす。この場合においては、第六十三条の三及び第六十四条の規定は適用せず、第六十三条の四中「前条第二項において準用する第五十一条第三項第一号」とあるのは、「第六十四条の十七の二第一項」と読み替えて、同条の規定を適用する。

3 宅地建物取引業保証協会は、手付金等保管事業を廃止したときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。この場合において、届出があつたときは、第一項の承認は、その効力を失う。

 

「手付金等保管事業は、不動産取引において買主などの顧客が支払う手付金や中間金などの金銭を、取引成立前に第三者が一時的に預かる制度です。これにより、万が一不動産会社が倒産しても、買主の金銭が保護される仕組みです。

制度の目的:不動産取引は高額かつ期間を要することが多いため、「手付金を支払ったのに売主や業者が倒産して物件が手に入らなかった」といったリスクがあります。 そのリスクを回避し、消費者保護を強化するために設けられているのが「手付金等保管制度」です。

保管事業の仕組み:項目 内容 対象金銭 手付金・中間金・一時金など(物件引渡し前に支払うもの) 保管者 保証協会が認定した「手付金等保管機関」 例:保証協会そのもの、信託銀行など

保管方法:指定保管機関が分別管理し、不動産会社とは別に保管 保管期間 原則、物件引渡し・所有権移転まで。(または一定の契約成立まで)

保護対象者:買主・借主など金銭を支払う顧客 対応義務 宅建業者が売買契約締結時に「手付金等保管措置を講じている」ことを説明し、証明書を交付する。

使用時期:不動産会社が「完成前物件(未完成物件)」を販売し、1,000万円超または代金の10%超の手付金・中間金を受領する場合には、宅建業法で「手付金等の保全措置」が義務付けられています。 その手段のひとつが「手付金等保管事業」を利用することです(他には保険加入、保証など)。

宅建業者に求められる対応:保管機関と契約を締結 手付金を保管する旨を契約書に明記 買主に保管証明書を交付 取引成立後、保管金の引き渡し・返還を適正に行う。

利用者(顧客)側のメリット:安心して大金を支払える 万が一の倒産時にもお金を失わない 取引の信頼性が向上する この制度は宅地建物取引業保証協会などが行っている公益的なサービスです。不動産会社にとっても、信頼性の証となる制度なので、大手企業や誠実な業者は積極的に利用しています。