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相続

1. 相続の基本相続人: 相続人は、故人の財産を受け継ぐ権利を持つ人々です。一般的には、配偶者、子供、親、兄弟姉妹などが相続人となります。法定相続分: 相続人が法定相続人である場合、法律に基づいて相続分が決まります。例えば、配偶者と子供がいる場合、配偶者は1/2、子供は残りの1/2を均等に分けることになります。
2. 遺言遺言の有無: 故人が遺言を残している場合、その内容に従って相続が行われます。遺言がない場合は、法定相続分に従って分配されます。遺言の種類: 自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など、遺言にはいくつかの形式があります。それぞれに法的要件があるため、注意が必要です。
3. 相続手続き相続登記: 不動産を相続する場合、相続登記を行う必要があります。相続登記は、相続人が不動産の名義を変更する手続きです。相続税: 相続財産が一定の金額を超える場合、相続税が課せられます。相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月以内です。

 

2021年4月1日から施行された改正民法により、相続登記が義務化されました。この改正により、相続が発生した場合、相続人は相続開始から3年以内に相続登記を行うことが求められるようになりました。 義務化の背景には、相続登記が行われないことによる不動産の名義不明や相続トラブルの増加があり、これを防ぐための措置です。相続登記を怠ると、罰則として過料10万円が科される可能性もあります。 相続人は早めに手続きを行うことが重要となります。相続登記を行うことで、法的なトラブルを避け、スムーズに不動産の管理や売却ができるようになります。
相続人の確定: 故人の遺言書や戸籍謄本をもとに、相続人を特定します。 遺産分割協議: 相続人全員で遺産の分割方法を話し合い、合意に至る必要があります。必要書類の準備: 登記申請に必要な書類(戸籍謄本、遺産分割協議書、不動産の登記簿謄本など)を用意します。登記申請: 管轄の法務局に必要書類を提出し、相続登記を申請します。

 

これまで不動産が未登記のまま、共有状態で何代か相続されると全員の合意が取れない状況が生じてしまい、空家問題に直結する事態を招いていました。相続登記が義務化されたことによって、このような事態を回避できることが予想されます。弊社にも相続不動産の売却相談が頻繁にあります。
一人に相続登記をして売却する段取りをした場合、贈与税に絡んでしまうと大変なので、遺産分割協議書を作成して履歴を残しておくのが賢明だと思います。
その後の譲渡所得税の関連も考慮する必要がありますし、全体設計をしっかりして準備を整えましょう。


2025年06月01日

価格指標

不動産価格を判断・分析する際の代表的な「価格指標」は、目的によっていくつかあります。大きく分けると、公的な指標と民間の指標があります。

 

1. 公的な不動産価格指標 指標名 公表主体 公表頻度 主な用途 公示地価(地価公示) 国土交通省 年1回(3月) 全国の標準地の1月1日時点の価格。土地取引や税金の基準。 基準地価 都道府県 年1回(9月) 7月1日時点の価格。地価公示と補完関係にある。 固定資産税評価額 市町村 3年ごと評価替え 固定資産税や都市計画税など課税の基準。実勢価格の7割程度。 相続税路線価 国税庁 年1回(7月) 相続税や贈与税の課税評価額の基準。公示地価の8割程度。

 

2. 民間の不動産価格指標 指標名 公表主体 特徴 不動産価格指数 国土交通省 実際の取引価格データに基づき、全国・地域別の価格動向を月次で算出。 REINS成約価格情報 不動産流通機構 仲介会社間の成約事例を集計。マンション・戸建て・土地別に地域動向を把握可能。 住宅価格指数(JREIなど) 日本不動産研究所など 首都圏・大都市圏の住宅価格推移を指数化。 不動産ポータルサイト相場(SUUMO・アットホームなど) 民間サイト 掲載価格ベースでの市場感を把握。実際の成約価格とは差がある場合あり。

 

3. 投資用不動産で使う指標 指標 意味 計算方法 表面利回り 家賃収入の総額から見た投資効率 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100 実質利回り 諸経費を差し引いた実際の利回り (年間家賃収入 − 年間経費) ÷ 物件価格 × 100 キャップレート 不動産投資の収益率 NOI(純営業利益)÷ 購入価格

 

4. 価格指標の活用ポイント 短期動向を見るなら → 不動産価格指数、REINS成約価格 長期トレンド・課税の基準なら → 公示地価・基準地価・路線価 投資判断なら → 利回りやキャップレート 現場感をつかむなら → ポータルサイト相場+実際の成約価格比較

 

家を売る前に知っておきたい「不動産価格指標」の話 家を売ろうと考えたとき、まず気になるのは「いくらで売れるのか」。 しかし、不動産の価格は一つではありません。実は、国や自治体、民間が公表しているさまざまな価格指標が存在します。それぞれ意味や役割が違い、売却価格の目安や交渉の材料として活用できます。 今回は、住宅売却のときに役立つ代表的な価格指標と、その使い方を分かりやすくご紹介します。

 

1. 公示地価(地価公示) 発表時期:毎年3月(1月1日時点の価格) 発表元:国土交通省 全国の「標準地」と呼ばれる地点の土地価格を公表したもの。 不動産取引や融資、税金の基準にも使われます。 売却予定地が近い標準地の公示地価を見ると、その周辺の「土地の一般的な価値」を知ることができます。 売却のヒント → 公示地価は実際の取引価格に近いので、売出価格設定の参考になります。 ただし、建物の価値や個別条件(駅距離、日当たりなど)は反映されないため、あくまで目安に。

 

2. 基準地価 発表時期:毎年9月(7月1日時点の価格) 発表元:都道府県 公示地価と似ていますが、こちらは都道府県が独自に調査する価格。 公示地価が年1回のため、その間の価格動向を補完する役割があります。 売却のヒント → 半年ごとの市場変化をつかめるため、価格が上昇傾向か下降傾向かを判断する材料に。

 

3. 路線価(相続税路線価) 発表時期:毎年7月 発表元:国税庁 主要な道路ごとに設定された1㎡あたりの価格。 相続税や贈与税の計算に使われ、公示地価の8割程度が目安です。 売却のヒント → 実勢価格よりやや低めですが、金融機関や税務上の基準として信頼性が高い数字です。

 

4. 固定資産税評価額 発表時期:3年ごとに評価替え 発表元:市区町村 固定資産税や都市計画税を計算するための評価額。 市場価格の70%前後が目安です。 売却のヒント → 実勢価格とは差がありますが、古家付き土地や築古物件の売却で建物の評価を知るのに役立ちます。

 

5. 不動産価格指数(実勢価格ベース) 発表時期:毎月 発表元:国土交通省 実際の取引価格データをもとに作られた指数。 マンション・戸建て・土地別に全国やエリアごとの動きが分かります。 売却のヒント → 市場が「上がり傾向」なら強気の価格設定も可能。逆に「下がり傾向」なら早めの売却を検討する判断材料に。

 

6. REINS成約価格情報 発表時期:四半期ごと 発表元:不動産流通機構 不動産会社間のネットワークで成約した実際の価格データ。 エリア・物件種別・築年数ごとの詳細が分かります。 売却のヒント → 「似た条件の家が実際にいくらで売れたのか」が分かるため、最も実践的な価格指標です。

 

価格指標の正しい使い方

相場感をつかむ  

公示地価や基準地価で土地の価値の大枠を知る。

市場の動きを見る  

不動産価格指数や基準地価で上昇傾向か下降傾向かを確認。

実際の取引事例と照合  

REINS成約価格で似た条件の成約例をチェック。

価格戦略に反映  

売出価格を高めに設定するか、早期売却を狙うか判断。

 

まとめ 不動産価格は一つの数字で決まるものではなく、複数の指標を組み合わせて判断するのが成功のコツです。 公的指標で基準をつかみ、実勢価格でリアルな相場を押さえ、タイミングを見極める――これが「賢い売主」になるための第一歩です。

2025年08月13日