第五章 業務9

(秘密を守る義務

第四十五条 宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。

(報酬)

第四十六条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。

3 国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。

4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。

業務に関する禁止事項

第四十七条 宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。

一 宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の契約の締結について勧誘をするに際し、又はその契約の申込みの撤回若しくは解除若しくは宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の行使を妨げるため、次のいずれかに該当する事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為

イ 第三十五条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項

ロ 第三十五条の二各号に掲げる事項

ハ 第三十七条第一項各号又は第二項各号(第一号を除く。)に掲げる事項

ニ イからハまでに掲げるもののほか、宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの

二 不当に高額の報酬を要求する行為

三 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為

第四十七条の二 宅地建物取引業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下この条において「宅地建物取引業者等」という。)は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。

2 宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。

3 宅地建物取引業者等は、前二項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。

(宅地建物取引業の業務に関し行つた行為の取消しの制限

第四十七条の三 宅地建物取引業者(個人に限り、未成年者を除く。)が宅地建物取引業の業務に関し行つた行為は、行為能力の制限によつては取り消すことができない。

証明書の携帯等)

第四十八条 宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。

2 従業者は、取引の関係者の請求があつたときは、前項の証明書を提示しなければならない。

3 宅地建物取引業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者の氏名、第一項の証明書の番号その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。

4 宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があつたときは、前項の従業者名簿をその者の閲覧に供しなければならない。

帳簿の備付け)

第四十九条 宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあつたつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。

 

 

守秘義務は当然のこととして、国交大臣の定めにより報酬額を掲示する義務が宅建業者に生じます。あくまでも上限額を定めており、当事者の合意により報酬は決定されます。

不実告知とは、 宅地建物取引業者が、取引に関して事実と異なる説明(虚偽の説明)をすることをいいます。当然にペナルティの対象です。

信用供与とは、 不動産取引において、宅建業者が買主や借主に対して、本来支払うべき代金や手数料などの支払いを猶予したり、立て替えたりする行為のことです。 「お金ないなら後で払っていいよ」と金銭的な便宜を与えることです。

断定的判断とは、将来の不確実なことについて、 まるで絶対にそうなるかのように断言することです。 たとえば「この土地、絶対に値上がりしますよ」 「100%大丈夫です」 などの言い方が 断定的判断 に該当します。

威迫とは、 相手に対して強い言葉・態度で脅すようにして、意思決定をゆがめる行為を指します。

従業者証明書の携帯や、従業者名簿と取引帳簿の設置などの義務を課しています。