価格種類

コラム:いろんな「価格」の正体

 

不動産の査定書を開くと、「売出価格」「査定価格」「希望価格」「成約価格」「実勢価格」…と、いろんな“価格”の言葉が並んでいて戸惑うことがあります。 でも実は、それぞれ役割が少しずつ違うんです。

 

希望価格 これは売主さんの気持ちが反映された金額です。 「これくらいで売りたい」「ローンの残債をクリアしたい」といった、想いのこもったスタートライン。

 

売出価格 実際に市場に出すときの金額。 希望価格に近いこともありますが、相場や買い手の反応を見ながら決める「見せ方の価格」です。

 

査定価格 不動産会社が「このあたりで売れる可能性が高い」と見立てた金額。 周辺の取引事例や建物の状態など、冷静なデータをもとに出されています。

 

成約価格 実際に契約がまとまったときの金額。 売出価格から交渉を経て、落ち着くところに落ち着いた“実際の売れた値”です。

 

実勢価格 その地域や市場で、今まさに動いている「リアルな取引水準」。 新聞やネットに出ている“成約事例”を積み重ねた、いわば市場の生の声です。

 

ポイント 希望価格は「気持ち」 売出価格は「戦略」 査定価格は「目安」 成約価格は「現実」 実勢価格は「市場の答え」 こうして整理すると、それぞれの“価格”が対立しているわけではなく、 「気持ち」から「現実」へ近づいていくプロセスだとわかります。


査定書に並ぶ数字も、「スタートからゴールへつながる地図」と思えば、少し気持ちがラクになるかもしれません。

2025年08月17日