☆不動産売却成功に向けた内覧対応のコツ

不動産売却成功に向けた内覧対応のコツ

── 購入意欲が2倍に高まる、「魅せる内覧」の技術 不動産売却で最も成約率を左右するのが “内覧対応” です。同じ物件でも、内覧の仕方が変わるだけで「売れ残る物件」が「即日申し込みの物件」へ変わることも珍しくありません。 ここでは、仲介現場で実際に成約率を上げてきた具体的なテクニックを、準備段階から当日の対応、内覧後フォローまで体系的に解説します。

 

■ 1. 内覧前の「仕込み」で7割が決まる 内覧はその場対応だけでは不十分。事前準備の“質”がそのまま成約率につながります。 ◆(1)生活感の除去と“モデルルーム化” 購入検討者は 「ここで暮らす自分」を想像できるか が重要。 そのためには生活感の排除が効果的です。 冷蔵庫のメモや写真を外す 洗面所に置きっぱなしの歯ブラシ・化粧品を収納 余計な家具・ラグ・布団を撤去 換気してニオイをリセット(特にペット・タバコ) 最低限の片付け+ニオイ対策 が、物件の価値を1〜2割ほど高く見せます。 ◆(2)“第一印象”を整える(玄関・外構) 玄関・アプローチは最初に見られるポイント。 雑草・落ち葉・ポストのチラシは必ず除去。 玄関マットや照明の明るさも印象を左右します。 玄関の匂いは特に強く記憶に残るため、アロマではなく 無臭の清潔感 を演出するのがプロのやり方。 ◆(3)照明は「全部つける」が基本 昼間でも照明ON。 写真と同様、内覧時も 明るさ=清潔感=好印象 の方程式が働きます。 特に以下の部屋は明るさが決め手: リビング キッチン 洗面脱衣所 収納内部(見られます)

 

■ 2. 内覧当日の“見せ方”と“話し方” 内覧は「営業」ではなく「体験のサポート」。 押し売りは逆効果です。購入者が自然にイメージできる環境をつくることがポイント。 ◆(1)案内ルートは「広い → 狭い」の順が鉄則 最初にリビング、次にキッチン、最後に水回り・個室。 広い空間を先に見せることで “広く明るい家” の印象が残ります。 逆に最初にトイレや洗面所に案内すると印象が弱くなるため非推奨。 ◆(2)質問は“誘導型”ではなく“共感型” 購入者の心理的負担を減らせば滞在時間が伸び、成約率もUP。 NG例(圧迫感): 「購入時期はいつですか?」 「ローンは大丈夫ですか?」 OK例(共感型): 「この部屋は朝日が気持ちいいですよ。」 「お子様がいる方にはこの収納の広さが好評です。」 あくまで“良い点をさりげなく提示する”のがコツ。 ◆(3)欠点は隠さず、フォロー案とセットで伝える 内覧者は必ず物件の弱点を気にします。 プロは欠点を先に伝え、その後の改善策を添える。 例: 「駅距離は少しありますが、徒歩5分のバス停から朝は7〜8本出ていて通勤が楽です。」 「築年数は経っていますが、給湯器は今年交換済みです。」 “誠実さ+具体策” の組み合わせは信頼を生みます。 ◆(4)家族構成やライフスタイルに合わせて“使い方提案” 在宅ワーク → 書斎や静かな部屋を強調 子育て世帯 → 収納・学校距離・公園 シニア層 → 階段の傾斜や近隣病院 買主の未来がイメージできると決断が早くなります。

 

■ 3. 内覧後のフォローで競合に勝つ ◆(1)内覧のお礼メール(即日) 早いフォローは誠意の証。 内覧者は複数の物件を見ているため、印象づけが重要。 文例: 「本日はご内覧いただきありがとうございました。気になる点があればすぐにお答えしますので、お気軽にご連絡ください。」 ◆(2)追加資料の提供で“比較の勝負”に勝つ 他物件と悩んでいる段階では、 近隣の生活MAP 光熱費の実績 固定資産税額 リフォーム見積 などの補足資料を送ると優位に立てます。 ◆(3)売主側の温度感を“適度に”伝える 「早く売りたい」アピールは逆効果。 「丁寧に使われてきた物件で、気に入ってくださる方にお譲りしたい」というスタンスが好印象です。

 

■ 4. 内覧でよくある失敗とその改善策 ● 生活感が強い(写真に写っていないゴミ袋・洗濯物) → 内覧前チェックリストを作成。片付け担当を決める。 ● 売主が話しすぎる → 基本は仲介任せ。補足が必要なときだけ発言。 ● 寒い/暑い → 冷暖房は事前にON。空調の快適さは印象に直結。 ● ペットが苦手な内覧者への配慮不足 → ペットは同室に入れない。消臭+毛の除去は必須。

 

■ 5. まとめ:内覧の質が“売値”を決める 内覧は「物件の価値」を伝える場であり、 それ以上に “生活のイメージ” を与える場 です。 プロの内覧対応は、 ・整理整頓 ・生活感の排除 ・明確な導線 ・欠点と改善策 ・フォロー の5つで構成されます。 この5つを徹底することで、 内覧者は「この物件が一番良かった」と感じ、競合物件との比較で優位に立てます。 内覧の完成度はそのまま “売却価格の高さ”と“成約スピードの早さ” に反映されます。

2025年11月20日